みなさんはのどぐろという魚をご存知ですか?
喉が黒いから「のどぐろ」と呼ばれている魚なのですが、刺し身のネタとして聞き覚えのある方も多いでしょうが、食べたことのある方は少数派かもしれません。
のどぐろは何といっても高級魚!庶民には手の届きにくいお値段のお魚です。
今回はそんなのどぐろの生態についてご説明します。
のどぐろの正式名は「アカムツ」
一般的にのどぐろと呼ばれているあの魚の正式名称は「アカムツ」。のどぐろは漢字で書くと「喉黒」で、読んで字のごとく喉が黒いことから名付けられた愛称です。
新鮮なものでも口から中を覗くと真っ黒です。口から見えているのは内臓で、つまり内臓が真っ黒です。
影ではなく本当に黒い色をしています。キンメダイなどほかにも内蔵が真っ黒の魚はいるのですが、とりあえず日本ではアカムツを主に「のどぐろ」と呼びます。いい名前ですね。
内蔵真っ黒仲間のサヨリという魚はよく腹黒いことのたとえとして持ち出されたりもします。
口を開けたら中が真っ黒というのはわりとびっくりするものですから、昔の人が面白がっていろいろと話のネタにしたのでしょう。
のどぐろを手に入れた方はぜひ口を覗いてみてください。
のどぐろの喉はどうして黒いのか?
のどぐろの喉はなぜ黒いのでしょうか。
のどぐろは水深百メートルから二百メートル程度のまあまあ深海といえる深さで暮らしています。底のほうの砂地でひっそりとイカやエビを食べています。
日本近海にも分布していて、高級魚であるとはいえ、日本にとって身近な魚です。
水深、約百メートルはほとんど光の届かない深さです。
エサを食べるためには、獲物に気づかれないようにする必要があります。そこで、のどぐろは口の中を黒くして、口を大きく開けても獲物に逃げられないようにしたのです。
のどぐろの喉が黒いのはエサをたくさん食べて生きのびるためだということですね。
ちなみに、のどぐろは、アカムツという正式名称の名の通り、体の表面が赤いのですが、これも獲物を捕まえるのに役立ちます。
前述の通り、生息している場所は深海で、光がほとんど差しません。光が差さない場所の光は赤いものが多くなります。夕日が赤い原理と同じです。
まわりの色である赤と同じ色の体表を持つことで、見えにくくなったのどぐろは、獲物に気づかれにくいというわけです。
体の表面も口の中も周囲の風景と同化させることによって、のどぐろは生き延びてきたのです。前述のキンメダイのほか、深海に住む多くの魚が赤と黒を身に着けています。
みなさんもぜひ一度、のどぐろを食べてみてくださいね!
のどぐろの喉が黒いことや体の表面が赤いことには理由があったんだ!