みなさんはセロリアックという野菜をご存じでしょうか?

日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパでは古くから親しまれている野菜です。この記事ではセロリアックを使った栄養満点のスープの作り方を解説します。

ヨーロッパの市場にならんでいるセロリアックの画像

セロリアックは冬が旬のセリ科のお野菜でごつごつしたカブのような形状をしています。カブよりもかなり固く、カットするのに力が要ります。

香りは日本のスーパーでも販売されているセロリと同じで、初めてこのお野菜を使った料理をごちそうになった時、調理する方が葉と茎の部分は捨てているのを見て、もったいないと思ったのですが、それが普通で、カブ状になっている根のがメインのお野菜です。

最初に書いた通り、とても簡単なお料理です。切って、ゆでて、味を調えるだけの料理です。しっかりおなかにたまり、体も温まります。風邪を引いたかなと思った時に作って飲めば治りが早くなると思います。

ちなみに、セロリアックには、豊富な食物繊維に加え、ビタミンC(免疫力を高める働き)、B2(エネルギー補給・疲労回復)、K・カルシウム・マグネシウム(骨粗しょう症対策)などが含まれています。とても簡単ですが、美味しく、腸にトラブルを抱える方や、ダイエット中の方にもお勧めなので、お楽しみいただけたら嬉しいです。

セロリアックのスープ 準備するもの

それでは、まずセロリアックのスープを作るのに必要な食材を解説しますね!

  • セロリアック1個(セロリルート、根セロリともいうようです。葉付きのものを入手出来たらなお良いです。一般のスーパーで並んでいるのを私は見たことがありません。冬場の道の駅などをチェックすると売っていることがあります。セロリアックを取り扱っているというところをネットで探し、問い合わせてからお近くであれば行かれるか、お問い合わせをしてみると良いと思います。)
  • 鶏まるごと1羽分(なければ皮のついている部位の鶏肉であれば何でも。スープのもとになるので骨付きの方が良いと思います。)
  • にんじん(本数はお好みで。セロリアックが引き立って欲しいので、カットした後のセロリアックより心持ち少ないくらい。)
  • じゃがいも(にんじんと同じくらい。)
  • 塩、黒コショウ
  • お好みで檸檬(レモン)
  • あれば鶏1羽がすっぽり入る大きさの圧力鍋(普通のお鍋でもできると思いますが、鶏肉がよりふっくら美味しく炊きあがると思います。)

セロリアックのスープ 作り方

それではセロリアックのスープの作り方を解説していきます。

①セロリアックを切る

葉と茎の部分もあるのなら、下のカブ状の部分とまず切って、分離させます。それから、葉と茎の部分のうち、スープに使う葉と細い茎の部分と、スープには使わない大きな茎の部分とを分けます。

セロリアックのカブ状の部分は、ごつごつしている部分を大きく撮り切るイメージで皮をむいてください。人参より少し大きめ位の大きさに切ると、スープになった時、しっかりセロリアックを食べていると感じられます。

切った後は水につけておきます。これしないと白かったはずのセロリアックが黒く変色します。

②鶏肉を強火で煮る

蓋をしない圧力鍋(もしくはお鍋)に鶏肉を入れ、たっぷりの水をいれて強火にかけます。すると、多量のあくが出てきます。

そうしたら、すぐにその水は全部捨てて、新しい水を入れて、今度は蓋をして圧力をかけて30分ほど鶏肉を炊きます。普通のお鍋でする場合はお肉にしっかり火が通りまでゆでてください。

③野菜の準備

鶏肉を炊いている間に、野菜の用意をします。人参は1センチ幅の輪切りにします。にんじんが太い場合は輪切りにしたものを半分に切ります。じゃがいもはとけることも考えながら、にんじんとのバランスを考えながら切ります。

④炊きあがった鶏肉を取り出す スープは捨てない

野菜の準備をしているうちに、鶏肉は炊きあがっていると思います。スープはこの後、使いますのでそのまま捨てず、鶏肉だけ取り出します。

⑤スープに野菜を入れる

④のスープの中にセロリアックにまず入れ、次ににんじん、その次にジャガイモというような感じで火を通していきます。

⑥取り出しておいた鶏肉を食べやすいサイズに割く

ジャガイモを入れ終わったら、取り出しておいた鶏肉が手で触るくらいまで冷えていると思うので、身と骨に分け、食べやすい大きさに手で割きます。

⑦仕上げ

鶏肉を食べやすいサイズに割いたら、野菜スープになっているスープに戻し温め、温まったところでセロリアックの葉と細い茎も入れます。葉と細い茎はすぐに火が通るので、その後、塩と黒コショウで味を調えて完成です。

お好みで檸檬を一ふりして食べます。

セロリアックのスープ 注意点とまとめ

まず、セロリアックをカットするにはかぼちゃを切る以上の力がいります。包丁などで怪我なさらないようにくれぐれもご注意ください。

鶏肉について、日本の鶏肉は上品ですっきりとした味なので、あくだけとって作ることも可能ですが、そうした場合、脂っこくなり、強くはないもののくさみのようなものがスープにうつってしまうことがあります。

鶏肉を割く工程について、鶏肉を火が通っていても手で身と骨をはがすのは抵抗があるかもしれません。しかし、理由は分かりませんが、包丁を使うよりも、絶対にその方がおいしくできます。

仕上げで味を調える時、黒コショウと書きました。コショウよりも黒コショウの方がセロリアックの強い味には合うような気がします。

一日目は野菜スープとして楽しみ、二日目はショートパスタを別の鍋でゆでて用意しスープパスタのようにして食べてもおいしいです。

三日目にもなると、ジャガイモは完全に溶け、ポタージュのようになります。分量多めで作って、味の変化を楽しむのもこのスープの醍醐味です。

セロリアックの大きな茎の部分は筋が多く食べにくいものもありますが、ひどくないものなら繊維にそってスティック状に切って、お好みのソースにつけて私は食べています。それこそセロリのまんまです。

最後に、私がセロリアックを最初に食べたのは海外に滞在した時のことでした。

私が滞在した国では日本に大根があるように、スーパーでセロリアックが山積みされていました。日本に帰ってきて、懐かしくなって食べたいなと思い調べたら、日本においてはまだレストランなどに直接卸されることが多く、普通のスーパーなどではあまり流通していないことが知りました。

とはいえ、日本国内でも作られている方はいます。味が良いだけでなく、栄養価も非常に高いお野菜なので、他の美味しい日本のお野菜と共に、普通に日本の食卓にのぼる日が来ればと思っています。また、紹介したスープもお楽しみいただけたら幸いです。