松葉ガニは山陰の冬の味覚の王者ですが、松葉ガニは家庭でも簡単に茹でることができます。
まず準備するものとしては、松葉ガニが入る大鍋・ザル・塩だけです。活きた松葉ガニの場合そのままお湯の中に入れてしまうと脚がとれてしまいますから、動かなくなるまで約30分ほど真水の中につけておきます。
また甲羅などについた汚れを事前にたわしで水洗いして汚れを落としておきます。その際脚を輪ゴムで縛っておくとコンパクトになりますから、大きな鍋がないという場合は縛っておきましょう。
茹でる鍋には松葉ガニが完全につかる程度の水を入れ、3パーセントの塩水にしておきます。塩水が沸騰したら甲羅を下向きにして松葉ガニを入れます。
鍋にふたをして再沸騰させふきこぼれに注意しながら約20~40分程度茹でていき、松葉ガニが茹であがったらザルにあげます。※すぐに食べない場合は冷水に2~3分ほどつけておくと、うまみも増しぱさぱさ感もなくなります。
茹で時間は目安で、松葉ガニの大きさなどによっても異なります。ただ茹で時間が短いとかに味噌が脚に回って蟹が黒くなってしまいますから、注意が必要です。
茹で上がった松葉ガニを美味しくいただくためのさばき方
茹であがった松葉ガニをよりおいしく食べるにはさばき方も重要です。松葉ガニの間接や親指の部分はとても固くなっていますから、キッチンばさみを使って食べやすくするのが基本です。
さばき方はまず甲羅を下にしてふんどしをはがしとり、包丁の手元を腹の真ん中にあてて軽く包丁をたたくように切っていきます。腹の切れ目を中心に手で折り曲げるようにして割り、甲羅と脚を分離していきます。※このときカニ味噌がこぼれやすくなっていますから注意しましょう。
脚の根本のエラを取り除き、脚とかぶを切り離し、かぶの中心に包丁を入れて二つに切り、脚の中心に関節の近くから包丁を入れて身を取り出すくしてきます。
大きな鍋を準備できない場合はホットプレートを使って蒸し焼きもできる!
どうしても松葉ガニが入るほどの鍋を用意できない場合は、ホットプレートでも蒸し焼きをすることができます。
温めておいたホットプレートにキッチンペーパーを敷いて松葉ガニを並べます。ホットプレートのふたをして強火で蒸し焼きにしていき全体的に松葉ガニが赤くなってきたら食べ頃です。焼き過ぎてしまうと身がぱさついてしまいますから様子をみながら蒸し焼きにしてきます。
松葉ガニの胴体は包み焼きにすると旨味が凝縮するのでおすすめです。
胴体をホイルでまるごと包み、フライパンで蒸し焼きしていきます。松葉ガニの大きさによっても異なりますが、一般的に強火で30分以上が目安となります。
カニ味噌がある程度固まっていれば出来上がりです。カニ味噌はそのまま食べてもおいしいですが、家庭の味噌を少し足して弱火で煮込むといっそうおいしく食べることができます。
生冷凍の松葉ガニ 刺し身でいただくのは少し危険?
生冷凍の松葉ガニを入手した場合、自宅でも刺身を食べられると思っている人も多いかもしれませんが、食中毒の可能性も考えられますから生冷凍の松葉ガニは生の刺身で食べるのではなく火を通して食べる方が安心です。
魚介類で気をつけないといけないことは寄生虫で、アニサキスが寄生する刺身を食べると重度の腹痛を伴います。
カニに寄生する寄生虫にはカニビルがあります。カニビルは甲羅に付着した黒いブツブツで、アニサキスとは異なり人に害を及ぼすような寄生虫ではありません。
松葉ガニのような海水種のカニには人間に害を及ぼすような寄生虫はつきませんが、淡水種のカニの場合は危険な寄生虫が含まれる可能性がありますから、十分注意する必要があります。
特にウェステルマン肺吸虫は肺の炎症などを引き起こす可能性がありますし、場合によっては心臓や脳などに転移して障害が起こる可能性もありますから、加熱処理をして食べるか冷凍処理をする必要があります。
また大複殖門条虫は腹痛や下痢を引き起こす寄生虫で、必ずしも症状を引き起こすわけではありませんが、加熱や冷凍処理をすることで感染を防ぐことができます。
まとめ
山陰などに旅行をした際、タグ付きのカニを購入したいと思う人も多いのではないでしょうか。
そんな時活ガニか茹ガニどちらを購入したら良いのか迷う人も多いかもしれませんが、活ガニの方がインパクトもありますし、出荷するぎりぎりまで活きていますからプレゼントする場合にもよいかもしれません。
ただきちんと自分で調理をすることができれば問題ありませんが、調理が面倒だ、自分には難しいと感じる場合には、茹ガニの方がおすすめです。茹ガニなら調理することなくすぐに食べることができます。
手順を覚えておけば、自宅でも簡単に松葉ガニを茹でることができますから、一度チャレンジしてみるとよいでしょう。