本当は美味しいエソエソという魚をご存知ですか?

一般的にあまり馴染みのない魚ですが、釣りを趣味にしている方ならきっとご存じかと思います。

釣り人の間では「キングオブ外道」として釣れたら即リリースが定番のなんとも悲しい魚です。

しかし、エソは調理法次第でとても美味しく食べる事ができるのです。

このページではそんな嫌われ者のエソを美味しく召し上がる方法についてご紹介します。

エソという魚について

エソを美味しく召し上がる方法をご紹介する前に、エソという魚について少し説明させていただきます。ご存知の方は読み飛ばしてくださいね。

エソとは成魚で10~70㎝で細長い胴体に、口が大きく横に裂け、ギザギザの歯がびっしりついているのが特徴的です。見た目はとてもグロテスクといいましょうか、例えるなら深海魚のような顔つきです。

また体つきがトカゲやワニに似ているため、「トカゲエソ」「ワニエソ」など和名がついている種類もいます。

エソの種類に関しましては、「【全10種類】エソの種類イロイロ それぞれの特徴や生息域・大きさなどを詳しく解説いたします!」という記事で詳しく解説していますので、興味のある方は読んでみてください。

エソは一見、深海魚のようなので深いところに生息しているように思われがちですが、実はエソの生息域は水深200mの比較的浅い海に生息しています。ショアジギングや投げ釣りなどでよく見る魚です。

エソの美味しい食べ方

そしてエソの食べ方についてですが、基本的には普通の魚のさばき方と一緒で以下のような食べ方がおすすめです。

  • さつま揚げ
  • お刺身
  • エソの天ぷら
  • お吸い物
  • 味噌汁
  • すり身揚げ

エソには小骨が多く、中骨の左右二列ずつ骨がついてます。3枚におろした後、ピンセットかスプーンでいっぽんいっぽん抜いていかなければなりません。

この骨を抜く作業が大変なので、毛嫌いする人が多いのです。しかしこの手間をかけることで、食べてみて「え?こんなに美味しい魚だったの?」ときっと驚くことでしょう。

エソのさつま揚げ エソの定番料理はコレ!

定番料理ですが、エソはすり身にしてさつま揚げにすると大変美味しくいただけます。

まずはエソの鱗(うろこ)を落としましょう。

鱗を落としたら、3枚に下してください。

フードプロセッサーをお持ちの方は、フードプロセッサーを使ってエソを骨ごと砕いてすり身にしてください。

フードプロセッサーをお持ちでない方は、上記で触れたようにエソは骨が多い魚なので、骨をある程度取り除き、すり身にしてください。小さなエソを使う場合は包丁で叩いてすり身にするので骨を取る必要はありません。

すり潰したエソの身に適量の塩を加えてください。

お好みに合わせて、ゴボウ・にんじん・玉ねぎなどの野菜を加えて混ぜてください。

卵白・しょうゆ・片栗粉を適量入れて再び混ぜていき、ちょうど良い固さになったら、お好みに合わせてネギや枝豆を加えて油で揚げれば完成です。

エソのお刺身 見た目からは想像できないけど淡泊で美味しい!

そして意外に知られていないのがエソのお刺身です。食

感はもちっとして、味は淡泊。ポン酢と小ネギなどをつけて食べると、あのグロテスクの見た目からは想像できないほど美味しいのです。

何度も申し上げておりますが、骨が多い魚なので、骨はしっかりと取り除いてくださいね。

エソの天ぷら調理方法と注意点

次はエソの天ぷらの調理方法と準備する食材をご説明します。

今回は3枚におろして揚げる天ぷらではなく、エソの身をすり身にして他の食材と混ぜ合わせて揚げる調理方法についてご説明させていただきます。

  • エソ(約800g)
  • ニンジン(1/3)
  • たまねぎ(1/4)
  • 長芋(30g程度)
  • 片栗粉(大さじ4杯程度)
  • すりしょうが(少量)
  • 卵の黄身(1個)

上記の材料はエソ800gに対しての分量となりますので、量や材料の選び方に関してはあくまでも目安になり、好みに合わせて調節すると自分オリジナルの味にできますので、ご自身の味の好みに合わせて調整してみてくださいね。

エソの天ぷら 調理方法

まずエソの頭や内蔵、皮、中骨を取り除き、残った部分の身を包丁ですり身状態にします。このときに2本の包丁があれば同時に使えば粉々にしやすくなり、かかる時間を短縮できて便利です。

次に、身の部分以外の半身をすり鉢に移し替え、玉子の黄身とすりおろした山芋を混ぜます。塩を入れると味をつけておいしくなり、こねるとエソの旨味を引き出せるため念入りにすると良さそうです。

次に、こねた身以外のエソの半身にニンジンやたまねぎのみじん切り、しょうが、片栗粉を混ぜ、量に応じて硬さを調整していきます。硬さは好みに合わせて食べやすくすると素材の風味を引き出せ、油であげるとおいしくなります。

油の量は中型のエソ1匹に対してフライパンで1センチ位が最適で、多く入れすぎると残ってしまいます。

油であげるときは小判型にすると火が通りやすくなり、温度は通常の天ぷらをあげるときと同じようにすると良さそうです。また、揚げない部分はつみれとして使うとおいしくなるため、こねたあとに取っておくと有効活用できます。

加熱する時間は人それぞれですが、表面がきつね色になるようにすればおいしくなります。焦げてしまうと味が落ち素材の風味を引き出せないため、最適なタイミングを知る必要があります。素材の厚さに合わせて油から取り出すタイミングを決めることが大事です。

また、材料にちりめんじゃこを入れると良い食感を引き出せるようになり、味噌や出汁の素を加えると高級な魚の味にできます。

盛り付けはそのまま皿に入れ、お酒のおつまみにしたり、ごはんと一緒に味わうのがおすすめです。

天ぷら粉を使わないためサクッとした食感が最高で、高級な魚の味を手軽に味わえることが魅力です。

調理上の注意点

魚のエソをさばくときは鱗を落として内蔵を取り出すため手間がかかりますが、キッチリ処理しないと苦くなり味が落ちてしまいます。中骨などもあるため取ったら水で洗い流し、喉につまらないように下準備をすることが大事です。

好みに合わせて様々なレシピを考えることもでき、ニンジンやたまねぎ以外の野菜を入れるとおいしくなります。しかし、火が通りにくいものはなるべく避け、エソの旨味を損なわないようにすると良いでしょう。

以上のように、釣りでは外道と呼ばれているエソですが、実は高級魚顔負けの旨味があります。しかし、天ぷらとして食べるためにはきちんと加熱する必要があり、焦げずに火が通るようにすることが重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか?あまり人気のない魚で、釣り人からは嫌われ者のエソですが、実はこんなに沢山の調理法があります。一部の地域では高級魚として扱われるほどです。

市場ではあまりお目にかかれない魚ですが、海釣りで釣れた時はそのままリリースするのではなく、一度食べてみられてはいかがでしょうか?